僕たちの世界は真っ二つに分かれた
なんで、どうして?
教えてくれよ
I want it that way
#4 病室
よく覚えてはいなかった。
気が付くと、ベッドの上で。
目を開けた瞬間、パンダが映って
「このたわけもんがっ!」
頭をこづかれた。
真っ先に頭に浮かぶ、大切な人の名。
「は?」
「?・・あぁ嬢か。さぁな。ワシは知らん」
そう言ってラビに背を向け、ごそごそしている。
多分、針を治しているのだろう。
「さよなら」
「・・・っ」
痛い
心臓がギリっとした。
思わず胸を押さえたラビに、ブックマンが振り返り、声をかける。
「何があった?お前が倒れるなどと・・体に異常は見当たらんと言うのに」
「・・・俺・・」
「談話室で倒れとるのを、ファインダーの一人が見つけてくださったのだ。あとでお礼を言っとけ」
談話室
さよなら
の涙
体が反応しなかった
頭が反応しなかった
いや反応した
理解が出来なかったんだ
いや、それも違う
俺はきっと
理解することを、無意識に拒否したんだ
が好きだ
だから彼女が告白してきてくれたのが嬉しくて
「好きです」
「あーうん。俺も」
「・・・・ほ、本当?」
「うん」
はにかんでうつむくを見ていると、可愛いと思うのと同時に、なんだか照れくさくて。
自分にしては珍しく、照れてそっぽを向いてしまった。
「ラビ」
そう呼んで笑ってくれた。
自分はエクソシスト
武器をふるう身
アクマをたおす
は、綺麗で
優しくて、癒されて、安心して
嬉しくて
でも
俺で、いいのか?
あんな綺麗なの横に立つのが俺で、いいのか?
告白された夜、興奮して、眠れなくて、考え事をしている時に、ふと浮かんだ言葉。
そんなことを考えて、俺はあわてて脳内の構図を消した
が好きって言ってくれたんだ
傍にいていいって言ってくれたんだ
この言葉はきっと自分を確実に蝕んでいた。
この日も、俺はの部屋まで行きかけて、ある言葉がふと頭に浮かんで立ち止まった。
部屋まで行っていいのだろうか
そんなことをするとは警戒しないだろうか
でも俺たちは恋人同士だし・・
結局、談話室にした。
あそこならみんなよく来るし、待っていれば偶然を装って会えるだろう。
そうしていたら、が別れを告げに来た。
「っ・・自分の胸に聞いてみたら?」
やっぱり、自分は、とつりあわなかったのか
こんなに、好きなのに
駄目なのか・・・?
涙がこみあげてきた。
「・・・・・・」
「なぬ?」
聞き返すブックマンの声も、ラビには届いていない。
その左目はうつろで、そしてとめどなく涙が流れていた。
そしてただただ、愛しくも離れていった愛しい人の名だけを心の内で呼んだ。
        
ラビにも訳があった。すれ違う二人。あぁ!!(何)
ラビ壊れます。
けい
05,08,09
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