ベッドに転がり、ぼう、っと、天井を見上げる。
薄汚れた天井は闇の奥で、どこまでも深い沼を眺めているようだった。


「・・・

(何?私もう寝るんだから、静かに湯たんぽしててよね)

あの時のやり取り。
それさえも、今は遠い。



呼びかけても返事はない。
ただあの深い沼に吸い込まれていくだけ。

コムイの執務室で、何か言えばよかったのだろうか。

だが同じ部屋で暮らすことなどできないし、なによりが了承するかもわからない。
言うか言うまいか迷った。
だが是の返事をもらえなかった時のことを考えるとどうして言いだせなかった。

(・・・こんなにも)

こんなにも、俺は臆病だったか。
女一人の返事におびえるような奴だったか。

いや、そんなことどうでもいい。

ただ今は、数日前まで傍にあったぬくもりが恋しかった。



―――コン、コン



控えめなノック音が部屋にこだました。
驚いて跳ね起きるが、いや、違うと首を振る。

多分コムイか、俺が返ってきたと聞いたラビあたりだろう。

(・・・めんどくせぇ)

ベッドから降り、緩慢な動きで扉に向かう。
ノブを回し、引くと、そこには。

「・・あ、ごめん、・・・寝てた?」
「・・・?」
「ごめん、遅くに」
「いや・・・どうした?」
「あの、さ・・・」
「・・・・・・・・・・・・入るか?」

戸惑った上の問いかけに、は小さく頷いた。




























+cat poison+



















「で、どうしたんだよ」

神田が胸の鼓動を抑えてベッドに座ると、もそれにならいその隣に腰かけた。
はただ手をもじもじといじり続ける。

「いや、あの、ね。えっと・・・」
「なんだよ」
「・・・ユ、ユウはなにしてたの?」
「は?」
「いや、もう寝るつもりだったのかな、って」

まさかお前のこと考えていた、なんて言えず、神田は眼をそらす。

「別に。ベッドに転がってただけだ」
「・・・そっか」
「お前は?」
「お前は、何してたんだよ」
「私は・・・」

は初めて顔をあげ、神田を見た。
泣き出しそうな眼が、神田を捉える。

「私は、ユウのこと、考えてた」
「・・・
「寂しいな、とか」

の目じりから涙がこぼれる。
膝の上で握りしめた手の上で、小さくそれがはねた。

「傍にいてほしいな、とか。・・・ねぇユウ」

の顔がくしゃりと歪んだ。
ぼろぼろとこぼれる涙はもう止まらない。

「私、ひとりの夜に耐えられなくなっちゃ、んんっ!」

が言い終わる前に、神田の唇がのそれを塞いでいた。

「っはぁ、ゆ、」
「俺もだ」
「ん?ふぅ、んん?」
「俺も、寂しかった」

口付けの合間に、吐息のように神田が囁く。
その言葉にがほほ笑んだ瞬間、またぽろりと涙がこぼれた。
その涙をぬぐうように、神田の唇がの頬を伝う。

「く、くすぐったいよ」
「うるせぇ」
「・・・ちょ、え?ひ、あぅ」

唇がそのまま首筋に落ち、は息の間を失う。
神田はその反応に喉で小さく笑ってべろりと鎖骨をなめ上げる。
また小さく嬌声を上げたその腰を緩くつかんだ神田はそのまま体重をかけた。
優しく横たえたの体を、神田の大きな手がゆっくりと撫でまわす。

「え?あ?ゆ、ユウ?」
「黙ってろよ」
「え、でも、ュ、んぁ!」
「そうだ、啼いてろ」

手早くのシャツのボタンを外した神田は、の二つの膨らみに手をかける。
緩くもみしだくと、の息が詰まった。

「あ、・・ん」

眉をひそめ、唇をかみしめる
その顔をもっとゆがめたくて、神田は膨らみの包みをほどき、ベッドの下に落とした。
さらされた膨らみの頂を口に含み、舌でコロコロと転がすと、の声がはねる。

「あっ?ど、どこに、そんな、や、・・・ひ、あぁっ、やぁ・・んん」

は必死に声を抑えようと唇をかみしめるが、体を這うその感触に自分の力ではどうしようもなくなる。
手を口に当てて声を抑えようとするが、腕に力が入らない。
そのうち神田の唇がもう片方に移り、今まで散々なぶられた方に今度は神田の手が這う。
ゆるゆるともみしだきつつ、指の間で頂を挟むとそのたびにが声を高めた。

「は、あ、うぁっ、・・や、ユウ、ユ、ウあ、ひゃんっ!」

返事がわりといわんばかりに小さく歯ををたてると、神田は顔をあげる。
と、頬を染め、目じりに涙をためたが息も絶え絶えにこちらを見ていた。
さらされ胸までのラインが白く反射して、神田には眩しくてたまらない。

「・・きれい、だ」

普段なら絶対言わないようなセリフを神田は囁く。
そしての耳をぺろりと舐めて、言った。

「愛してる」
「っ!・・・私も、愛してるよ、ユウ」

の腕が、神田の首に回る。
乞うような仕草に、神田は口の端をあげて微笑み、そして唇を重ねた。



月明かりだけがそんな2人を緩く照らしていた。





























なんかさ!あれだ!そうだ!
無駄に改行だらけにしてしまいますひゃーはずかちー!!!
でも期待してた方すみません・・これが私の精一杯です。
ぬるくてすみません…っていうか最後までいってないし。
精進できるようにがんばります。


次回最終回!


けい

08,10,05