俺が止めても
きかねぇんだろ?
いや
そもそも
俺にはそんな資格なんて
5.振り向いて、微笑んで
科学班のアイツに、イノセンスが反応した。
エクソシストが持って帰ってきてコムイに渡したとき、近くにいたに反応したそうだ。
そのエクソシストを殺してやりたいと一瞬でも思った自分を俺は恥じた。
今、は俺の目の前に座っている。
談話室で座って瞑想(実は考え事)をしていたら、こいつがやってきた。
そして唐突に口を開いた。
「私もエクソシストになったんだ」
「・・・そうか」
「明日が初任務」
「・・・・」
「神田?」
「・・・」
「神田ってば!」
「・・・」
「怒ってるの?」
こいつに怒っても仕方ない。
すべてはイノセンス、しいては神とやらの意思だ。
こいつのせいじゃない。
それに
俺とこいつは
別に
「・・・怒ってない」
「じゃあどうして何にも言ってくれないの?」
「何で言う必要がある?」
関係ないのに
そうだ
こいつがどうなったって
関係ない
「・・・そっか」
嫌に淡々とした口調で言うと、は席を立った。
「私、行くね」
「・・あぁ」
「ね、神田」
別に見るつもりはなかった。
ただ、名前を呼ばれたから、顔を上げただけだった。
「帰ってきたら、話したいことがあるの。聞いてくれる?」
ドアノブに手をかけ、振り返って微笑む。
その表情に、心臓がどくりと波打つ。
「・・あぁ」
これは、
多分
「じゃ!」
パタンとドアが閉まった。
アイツの頬がかすかに赤かったと思うのは、俺のうぬぼれだろうか。
顔を手で覆うと、熱いことに気付く。
なんてこった。
「はっ!」
自分自身を鼻で笑った。
どうやら俺も言わねえとなんねぇらしい。
[END]
すみません。
お題あんまり関係ありません。
神田好きです。
けい
05,09,04
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